ロサンゼルス留学体験レポート|好きな映画を、本場で学ぶという選択

「小さい頃から、映画関係の仕事がしたいと思っていました」

そう話してくれたのは、アメリカで映画・エンタメ分野を学んでいる丹羽さん。
幼い頃からスター・ウォーズやアメリカのカートゥーンに触れて育ち、映画や映像の世界は、ずっと身近な存在だったといいます。

高校生の時には、将来の進路としてアメリカで映画を学ぶことを考え始め、高校2年生の夏に1ヶ月間、ロサンゼルスでホームステイを経験。語学学校に通いながら、現地の映画系学校も見学しました。

その時に感じたのは、「やっぱり本場で学びたい」という気持ち。

コロナ禍の影響で渡米時期は一度延期になりましたが、丹羽さんはその後、アメリカ留学を実現。最初はシアトル近郊のコミュニティカレッジへ進学し、その後、映画分野に強い学校へ転校。さらに現在はロサンゼルスで、映画・エンタメ業界のビジネスサイドを中心に学んでいます。

最終的に目指していたのは、やっぱりロサンゼルス

丹羽さんが最初に進学したのは、ワシントン州シアトル近郊のコミュニティカレッジでした。

いきなりロサンゼルスではなく、シアトルを選んだ理由の一つは、費用面。ロサンゼルスは家賃や生活費が高く、最初から長期で住むには負担も大きいエリアです。

また、高校の先生からの紹介やサポートもあり、まずはシアトルで一般教養や基礎科目を学びながら、少しずつ映画分野へ進んでいきました。

その後、フォトグラフィーの授業を担当していた先生から、映画に強いコミュニティカレッジを紹介され、転校。映画の歴史や制作など、より専門的な内容を学ぶようになりました。

そして、最終的に向かったのがロサンゼルス。

「最後はそこだよな、という感覚はありました」

ハリウッド、バーバンク、カルバーシティ。
ロサンゼルスには、映画スタジオやエンタメ企業が集まるエリアがあります。

観光地としてのハリウッドだけではなく、実際の制作現場や業界の空気が近くにある。
映画を学ぶ人にとって、ロサンゼルスはやはり特別な場所です。

ロサンゼルスで学んで感じた、映画業界との近さ

丹羽さんがロサンゼルスで特に印象に残っているのは、授業を通じて出会う先生や業界関係者の存在です。

現在学んでいる学校には、ワーナー、ディズニー、ピクサー関連など、実際にエンタメ業界で長く働いてきた先生たちがいます。

授業では、そうした先生たちが自身の経験を交えながら、映画やコンテンツビジネスについて教えてくれるそうです。

さらに、先生のつながりで業界関係者がゲストとして来ることもあります。

丹羽さんが印象に残っているのは、カートゥーンネットワークに関わる人物が授業に登場した時のこと。子どもの頃から見ていた作品に関わった人が、目の前で話している。その瞬間、教室全体が一気に盛り上がったといいます。

「なかなかない経験ですよね」

映画やアニメーションが好きな人にとって、自分が見て育った作品の“作り手側”に近づけることは、とても大きな刺激になります。

試写会、プレミア、スタジオ見学。本場だからこその経験

ロサンゼルスにいると、映画の試写会やプレミアに参加する機会が生まれることもあります。

丹羽さんも、先生の紹介や現地でのつながりを通じて、配信作品の先行上映会や、キャスト・関係者が登壇するイベントに参加した経験があるそうです。

日本から旅行で来るだけでは、なかなかアクセスできないような場に、学生として関わるチャンスがある。
これは、ロサンゼルスで映画を学ぶ大きな魅力の一つです。

また、友人のつながりでディズニーのスタジオ本社を見学する機会もありました。

スタジオ内には、過去作品のアーカイブや、アニメーション制作に関わる展示、レコーディングスタジオ、技術開発に関わる建物などがあり、映画ファンにとっては夢のような空間だったといいます。

もちろん、すべてを自由に見られるわけではありません。
マーベルやルーカスフィルムなど、機密管理が非常に厳しいエリアもあります。

だからこそ、映画が単なる憧れではなく、実際に多くの人が関わり、厳しいルールの中で作られている“仕事”なのだと感じられたそうです。

映画留学は、制作サイドとビジネスサイドに分かれる

映画関係の留学と聞くと、多くの人はカメラ、編集、脚本、監督など、制作現場をイメージするかもしれません。

しかし、丹羽さんによると、映画分野の学びは大きく分けて「制作サイド」と「ビジネスサイド」があります。

制作サイドは、撮影、編集、照明、音響、演出など、実際に作品を作る現場の技術を学ぶ分野。

一方でビジネスサイドは、配給、マネジメント、プロデュース、資金調達、マーケティング、コンテンツ管理、メディア法など、映画や映像作品をビジネスとして成立させるための分野です。

丹羽さんは現在、どちらかというとビジネスサイドを中心に学んでいます。

その理由は、将来の選択肢を広げるため。

映画制作の現場は、年数や経験、人脈が大きくものをいう世界です。さらにアメリカで現地就職を目指す場合、ビザやユニオン、作品ごとの契約など、外国人にとってハードルもあります。

だからこそ、映画の知識に加えて、英語圏でビジネスを学んだ経験や学位を持つことは、アメリカだけでなく、カナダ、オーストラリア、イギリス、日本など、将来の選択肢を広げる可能性があると感じているそうです。

英語の壁は、やっぱりある

丹羽さんは国際系の高校出身で、日本にいる頃から英語には力を入れていました。
それでも、実際にアメリカの大学で授業を受けるとなると、最初はかなり大変だったといいます。

英語ができるかどうかだけではなく、アメリカの学生が当たり前に知っている前提知識がないことで、授業についていくのが難しい場面もありました。

特に苦労したのは、アメリカの政治や社会に関する必修科目。

民主党・共和党、言論の自由、アメリカの歴史や制度など、現地の学生にとっては中高で学んできた内容でも、日本から来た留学生にとっては背景知識が足りないことがあります。

「英語力があっても、前提知識が違うとつまずくんです」

留学では、語学力だけでなく、文化や社会の違いも一緒に学んでいく必要があります。

キラキラだけではない、アメリカ大学生活のリアル

ロサンゼルスで映画を学ぶ生活と聞くと、華やかなイメージを持つ人も多いかもしれません。

でも、丹羽さんははっきりと言います。

「キラキラした生活ばかりじゃないです」

授業は決して楽ではありません。
一般教養の時期は、まず英語の壁がある。学年が上がり、300番台・400番台の専門科目になると、今度は授業内容そのものが一気に難しくなります。

さらに、映画系や専門分野の授業は夜に行われることもあります。
先生自身が業界で働いていて、仕事後に授業を担当するケースもあるためです。

丹羽さんの最近の平日は、午前中に起きて課題を進め、夕方から授業へ。授業が夜9時半頃まで続くこともあり、帰宅後は食事をして、次の日の準備や宿題をするという生活です。

遊びに行く時間は、思ったほど多くありません。
映画が好きな丹羽さんでも、本当に見たい作品がある時に、土日や授業前の時間を使って映画館に行く程度だといいます。

それでも、好きな分野を本場で学んでいる実感があるからこそ、忙しさの中にも意味があるのだと感じられます。

生活費は工夫次第で抑えられる

ロサンゼルス留学で多くの人が気になるのが、生活費です。

丹羽さんは、かなり工夫して生活費を抑えているタイプ。
車は持たず、自転車で移動。食事はほとんど自炊で、日本食を作ることが多いそうです。

調味料は日本から持っていき、出汁など現地で手に入りにくいものを工夫しながら使っています。

「寮でミールプランを使うより、自炊の方がかなり抑えられていると思います」

もちろん、これは料理に慣れている丹羽さんだからできている部分もあります。
ロサンゼルスで車を持つ場合は、保険料やガソリン代もかかるため、生活費は大きく変わります。

ただ、工夫次第で費用を抑えることは可能です。
特に長期留学では、家賃、食費、移動手段をどう設計するかがとても重要になります。

もっとやっておけばよかったこと

丹羽さんに留学中の後悔を聞くと、「もっといろいろな人と関わっておけばよかった」と話してくれました。

授業が進むにつれて、同じ専攻の学生とは自然と顔を合わせるようになります。
一方で、学校主催のイベントやパーティーにはあまり参加してこなかったそうです。

今振り返ると、違う学科の学生や、別の分野を目指している人たちとも、もっとつながっておけばよかったと感じています。

映画業界は、人とのつながりが非常に大切な世界です。
同じ業界を目指す友人が増えれば、将来どこかで仕事の情報が入ってきたり、一緒に何かを作る機会が生まれたりする可能性もあります。

「もう少し、広く友達を作っておけばよかったと思います」

この言葉は、これから留学する人にとって大切なヒントです。

留学は、学校に通うだけではありません。
どれだけ外に出て、人と会い、自分の世界を広げられるか。
そこに、留学の価値が大きく表れます。

映画を学びたい人へ。まず大切なのは、業界の人と話すこと

これから映画・エンタメ分野を目指す学生に向けて、丹羽さんが大切だと話してくれたのは、「業界関係者と話すこと」です。

映画業界は、外から見ると華やかに見えます。
でも実際には、制作現場の厳しさ、就職の難しさ、ビザやユニオンの問題、作品ごとの契約など、現実的な壁もたくさんあります。

だからこそ、実際にその世界で働いてきた人や、今まさに学んでいる人の話を聞くことが大切です。

「楽しい面だけじゃなくて、厳しい現実も知った方がいいと思います」

ロサンゼルスで映画を学ぶことは、夢に近づく大きな一歩です。
ただし、それは単に“ハリウッドに行く”ということではありません。

自分が制作をしたいのか。
ビジネス側から作品に関わりたいのか。
英語圏で学んだ経験を、将来どこで活かしたいのか。

そうしたことを考えながら進路を選ぶことで、留学はより意味のあるものになります。

好きなことを、本場で学ぶということ

丹羽さんの留学は、ただ英語を学ぶ留学ではありません。

幼い頃から好きだった映画やアニメーション。
その世界を、今度は観る側ではなく、作る側・届ける側として学んでいく。

ロサンゼルスには、映画を仕事にしている人たちがいます。
スタジオがあり、試写会があり、先生の先には業界の現場があります。

もちろん、楽しいことばかりではありません。
授業は忙しく、英語の壁もあり、将来の道も簡単ではありません。

それでも、好きなことを本場で学ぶ時間は、自分の将来を考えるうえで大きな財産になります。

映画が好き。
映像に関わる仕事がしたい。
ハリウッドや海外のエンタメ業界に興味がある。

そんな気持ちが少しでもあるなら、ロサンゼルスで学ぶ経験は、人生の選択肢を大きく広げてくれるかもしれません。

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